006

シンガポールではかなり安く、日本にいる時のようにインターネットが利用できます。1週間の滞在なら、2000円くらいでほぼ無制限に、手持ちのスマホでインターネットできます。

2014年1月にシンガポールに行ってきましたので、その時の様子を交えつつ、シンガポールでプリペイドSIMを手に入れて使う方法を書いていきます。

海外でインターネットする方法

値段・手軽さのバランスになりますが、海外で自分のスマホでインターネットするには、おおよそ以下の3つの方法があるかと思います。

1. キャリアのローミングサービスをそのまま使う

海外に携帯なりスマホなりを持って行けば、とりあえず手続き無しでもほぼそのまま通話が出来たりします。また、インターネット接続も、特に手続き無しで使えちゃったりします。

が、これは結構高額になります。

docomo海外パケ・ホーダイでは、1日当たり1,980円となっていますが、これも20万パケット(約24M)を超えると2,980円になります。ちなみにこの「1日」は日本時間で区切られているので、現地到着が日本時間で23時だったりした場合、すぐに使ってしまうとたった1時間で1日分になってしまいます。
まぁ、海外旅行の一部と考えたら1日当たり3000円弱もアリなのかもしれませんが、頻繁に海外に行く人にとってはこれはちょっともったいないですよね。
docomo 海外パケ・ホーダイ

2013年12月から開始された「海外1dayパケ」は、この「1日」が「使用開始から24時間」という区切りになっているのは大変うれしいことで、また、お値段も1日980円とお安くなっているのですが、1日当たりのデータ量の上限がたったの30M、これを超えると16kbpという超低速通信になってしまいます。
何かの都合でほんのちょっとだけ使う必要がある場合には有用かもですが、これで普通に1日使うのはまず無理でしょう。
docomo 海外1dayパケ

2. 日本でモバイルルータを借りて行く

海外で使えるモバイルルータをレンタルしてるところが結構あります。Webから申し込んで、空港で受け取って、帰って来たら空港で返す、という感じになるので、そこそこ手軽です。

値段も1日当たり980円と結構手頃。docomoの海外1dayパケのようなデータ上限もないので、通信量を気にせず普通に使えます。

ただし欠点としては、当たり前ですがモバイルルータを借りてから返すまでの日数分の料金が発生するので、旅程によっては最初と最後の2日分、余計にかかってしまうと言えるかもしれません。

また、スマホはこのルータを介して使う形になるので、電話機能は使えません。もちろん、インターネット上で使うLINEとかSkypeとかを使った通話は可能です。
イモトのWiFi

3. 現地でSIMカードを調達、自分のスマホに挿して使う

これが最もお勧めする方法です。

国によりますが、プリペイド式のSIMカード(携帯・スマホに挿して使うもの~これがあるから通信できます)を結構安価で購入できます。

ただ上2つの方法と比べて、スマホから日本のSIMカードを抜いて現地のSIMに差し替えることや、必要に応じてスマホでAPNの設定というようなことをやる必要があります。

そういうのいじるのは嫌だ・・・ という方には億劫な方法かもしれませんが、全然難しいことはありませんので、この記事を参考にやってみる価値はあるんじゃないかと思いますよ。

SIMロックを解除しておく

海外で自分のスマートフォンをそのまま使うために、SIMロックというものを解除しておく必要があります。

日本で販売されているスマートフォンは、基本的にSIMロックされています。docomoで買ったスマホはdocomoの回線で、softbankはsoftbankで、auはauでと、自分のところの回線でしか使えないようにロックされているのです。このロックがされていると、海外に行って現地のSIMを挿したところで認識されず、使えません。

docomoのスマートフォンについては、よほど古い機種でなければ、docomoショップに持ち込めばこのロックを解除してくれます。3,150円ほどかかりますが、作業自体は10分くらいでやってもらえます。

1番確実なのは、最近日本でちょっと流行り出してる感じのある「SIMフリースマホ」を使うことです。AndroidですとNEXUS5 (4万弱で買えます)、iPhoneでもSIMフリー版が普通に買えるようになりましたよね。

Nexus 5 16GB EM01L(LG-D821) を amazonで買う 

ちなみに私はNEXUS5を使ってます。奥さんと娘さんはどちらもdocomoのAndroidスマホですが、2人ともSIMロック解除の手続きをしてあります。

シンガポール・チャンギ国際空港でプリペイドSIMを買う

ということで、SIMロックを解除したスマホ・SIMフリースマホを持っている前提で話を進めます。

シンガポールのチャンギ国際空港に着いたら、まずやることはプリペイドSIMを扱っているお店を探すこと。

両替所で扱ってたりしますが、これは税関を通る前でも後でもありますので、とりあえず気持ちをすっきりさせるために(?)税関を通っちゃいましょう。
002

ちょっときょろきょろすれば、両替所のそばにこんな店があるはずです。

この写真の女の子の左下に写っている赤いカードが目印ですね。これが SingTel (シンガポール最大手の通信会社) のプリペイドSIMカードです。他の通信会社のものも空港で買えますが、私が普段使うのはこのSingTelのものなので、以降の説明はSingTelについてのものになります。

$8、$15、$28、$50と、いろいろなカードがあるみたいですが、空港で扱っているのは$28と$50の2つ。

日本にやたら電話をするとか、そういう理由でもない限り、$28のやつで十分だと思います。

$28のを1つ買いましょう。

すると、AndroidかiPhoneか聞かれます。これはnano SIM用のと通常&micro SIM兼用の2種類あるためです。Android と答えても良いし、micro SIM, please でもいいです。

スマートフォンで動作確認

プリペイドSIMを買ったら、安全のためその場で動作確認をしましょう。

006

私が買ったのは$28のやつ。こんな感じです。

通常サイズのSIMの場合は、太い溝に沿って外して使います。NEXUS5はmicro SIM なので、更にその内側にある点線に沿って外して使います。

スマートフォンから日本で使っているSIMカードを外して(これは予め飛行機の中でやっておくといいですね)、このSIMカードを挿します。

007

このカードの裏はこんな感じ。

一応まだ有効なので画像からは消していますが、ショップのお姉さんがボールペンで丸を付けてくれたところに、このSIMの電話番号が書かれています。このSIMを挿している間は、日本にいる人から電話をかけてもらうには、「001 65 このカードに書かれた番号」とかけてもらう必要があります。ちなみに65はシンガポールの国番号ですよ。

このSIMを挿してスマートフォンの電源を入れれば、少なくとも電話についてはもうそれだけで使える状態になっています。

インターネットも、NEXUS5のようなSIMフリースマホならば自動的にAPNが設定され、使える状態になっています。ただ、docomoのスマートフォンのSIMロックを解除したものだと、おそらくAPNは自動では設定されません。

スマートフォンでAPNを設定

008

APNの設定というのは、インターネットに接続するための設定、と思って下さい。

このパンフレットの右下に書いてありますが、APNの接続先を「hicard」と設定する必要があります。

機種によってメニューの項目名が微妙に違うかもですが、メニュー→設定→無線とネットワーク→モバイルネットワーク みたいな感じで進むと、「APN」とか「アクセスポイント」という設定項目があると思います。

そこで、新たなAPNを作成します。パンフレットにもある通り、適当な名前で新規作成し、それのAPNに「hicard」を設定すればOKです。

これで無事、インターネットにもつながるようになっているはずです。

ただし、この時点では「従量制」の設定になっていますから、これで設定完了と思って使い始めてしまうと、すごい勢いで残高が減って行き、1日と持たずに残高ゼロになってしまう恐れがあります。電話しか使わないという人はそれでも良いのですが、普通にネットを使う場合には、次で設定するデータプランに入りましょう。

データプランを使う

上の写真のパンフレットの真ん中にありますが、いくつかのプランがあります。

旅行中に動画サイトを見まくる人もいないと思いますので、通常は 7-Day Value 1GB Data くらいで良いのではないでしょうかね。価格もたったの$7です。$28のカードを買っていれば残り$19ありますので、普通に通話をしてもなかなか使い切らないと思います。

1週間より長く滞在する人は、ちょっと高めになりますが、30-Day Super 1GB Data ($20)とか、30-Day Super 500MB Data ($15) とかになりますかね。

私は特に通話は必要なかったので、$25の 7-Day Ultimate 14GB Data プランにしました。これに入ると残りは$3 になってしまいますが、インターネット接続さえあれば、LINEでもSkypeでも、何でも使ったらいいですからね。

さて、このデータプランの申し込みですが、このSIMを挿したスマートフォンからSMSで行います。

パンフレットの真ん中の下の方に書いてありますが、まず、*363 に電話します。電話だからと言ってびびらなくて大丈夫です。あっちのシステムが自動で出て、すぐに切れます。そして、すぐにSMSが送られてきます。

014

何がしたいのか聞いてきてます。データプランに申し込みたいわけですから、1 と入力してSMSを返信します。
するとまたすぐにSMSが飛んできます。

009

申し込み済のデータプランのチェックをしたいのか、それとも申し込みたいのかを聞いています。
ここでは 2 と返事します。
するとまたすぐにSMSが送られてきます。

010

どのプランにしたいのか聞いています。パンフレットの真ん中に書いてあるものが1~8に書いてありますね。
私は7日間14GBなので 3 と返信しました。
7日間1GBのプランならここで 5 と返信して下さいね。

するとまたすぐにSMSがやってきます。

011

$25 の 7-Day 14GB を選んだよ。それでいいね? と、確認してきてます。

ここで登録が完了したと勘違いして安心してしまう人がいるようですが、まだ手続きは終わってません。ここで終わった気になって普通に使い始めてしまうと、従量制で残高がどんどん減って行ってしまいます。

自分が申し込もうとしているプランと合っているか確認して、合っていれば 1 と返信します。

012

これで完了です。

このSMSを受け取ったところで、無事手続き完了。
私の場合7Day 14GBですから、普通じゃなくて異常に使っても使い切らないレベル。なので実質的には使い放題のプランと言っていいレベルかと思います。

SIMカードの有効期限は6ヶ月

私が無駄に(?)$25のデータプランに入った理由はここにもあるのですが、残高が残っていても、有効期限の6ヶ月を経過すると、SIMカードそのものが無効になってしまいます。

6ヶ月以内に再度シンガポールに行く予定があれば残高を残しておく意味もありますが、その予定がない場合には残しておいても何にもなりません。なので安心してデータ通信しまくれるし、$28中の$25をドンと使ってしまったわけです。

有効期限内なら追加チャージもできます

滞在中やたら電話を使ってしまったとか、1-Day のプランを何度も申し込んだとか、そういう感じで残高がなくなってしまった場合には、追加チャージもできます。シンガポールではこれを Top-up と呼ぶようです。地下鉄のカードに入金するのも Top-up と言うみたい。
003

SIMカードと似てますが、このカード達はすべて Top-up カードです。

Top-upのやり方も上のデータプランの申し込みと同様、最初に指定された番号にかけ、あとはSMSでやり取り、という流れになります。

まとめ

という感じで、1週間ならほぼ無制限、30日間使うとしても1GB以内ならたった$28で快適なインターネット環境が手に入ります。2014年1月時点では1シンガポールドル=82円くらいですから、2000円ちょいです。